当時のF1ではベルガーが全てでした。
ベルガーの結果に一喜一憂していました。
ベルガーの移籍に合わせ、マールボロを吸ったり、ティフォシに戻ったり、マイルドセブンを吸ったりと大変でした。
時にはセナを凌ぐ速さを見せた高速コーナーの王者ですが、たまにしか勝たないのでファンはたまりません。
毎回馬場アナが実況すればいいのに!と思いました。(ベルガー勝利の時の実況は、ほぼ馬場さん)
そんなベルガーも97年に引退し、それ機にF1は見なくなりました。
結果は何となく追ってはいたものの、しだいにF1とフジテレビへの愛情は薄れていきました。
しかしあれから20年の月日が経ち、何故か今年はDAZNにも加入し、初戦から観戦しています。なんと今ではF1を見るのにも金が掛かるのです。
昔はベルガーファン視点でのみ観戦していましたが、いま俯瞰でF1を見ると、メーカー同士のプライドをかけた技術の争いはもちろん、エンタメとしても十分に楽しめる内容になっていました。
やはり驚いたのがフェルスタッペンの走りです。
オヤジのヨスは、ベネトンでシューマッハの影に隠れいまいちパッとせず、給油中の事故で炎上した印象しかありませんが、パドックではずいぶん偉そうですね。現役時代を知ってるこっちからしたら、もう少し謙虚にしたら?と言いたくなります。。。
しかし、マックス・フェルスタッペンは時折セナを彷彿とさせる走りをするなぁと時折感じていましたが、今回のオーストリアGPを見て確信に変わりました。
力強くて頼もしい、しかもとてつもなく速い。ここぞという時に見せる集中力と鬼神の走り。まさにセナとかぶります。
昨年までの同士討ちや、マッサへのブラジル人発言などで、正直この若造好きになれないなと思っていましたが、今年のマックスは何か佇まいが違います。
ほぼミスもしません。
セナが勇猛果敢で危険なドライバーから、成熟したドライバーへ成長していった過程と似ています。
すでにワールドチャンピオンの貫禄があります。
おそらくマシン的には、ガスリーのポジションが今のレッドブル・ホンダの実力を現しているのだと思います。
しかしセナが、トールマンやロータス時代に、マシンのポテンシャル以上の走りを見せマンセルやプロストと争っていたように、今のマックスもメルセデスやフェラーリとやり合っています。
しかし、このままホンダが満足いくPUをマックスに与えられなかったら、確実にメルセデスへ移籍するでしょう。
メルセデスはハミルトンに変わる次世代エースとして見据えています。
ルクレールも速くて良いドライバーですが格が違います。
そんな中、オーストリアGPでは鬼神の走りを見せ、ホンダファンが待ち望んでいた勝利をあげました。
そして、この勝利はベルガーファンの私にとっても、様々な特別が重なりました。
- オーストラリアGPはベルガーの地元
- 当時エステルライヒリンクはベルガーが大好きだった超高速サーキット
- メルセデスの連勝をホンダが止めましたが、88年マクラーレン・ホンダの連勝を止めたのはベルガー
- ベルガーのマクラーレン時代の担当エンジニアが、現レッドブル・ホンダTDの田辺さん
- そして表彰台で抱き合うベルガーと田辺さん
- F3でベルガーを見出したヘルムート・マルコ博士はいまだ健在
往年のベルガーファンにはたまらないGPとなりました。
マックス・フェルスタッペンが、ポディアムで胸のホンダロゴを指し示した時は、思わずジーンと来ました。
まだ、フェラーリやメルセデスとの差はありますが、
マクラーレン・ホンダ&セナのコンビのように、レッドブル・ホンダとフェルスタッペンでぜひ新時代を築いて欲しいです。