レッドブル・ホンダのフェルスタッペン優勝に思うこと

本日は完全に私のノスタルジック日記です。

40オーバーで、80年代後半あたりのF-1ファン、そしてフジテレビの深夜番組(JOCX-TV)をご覧になっていた、東京在住の方のみご理解いただける内容となっております。

あしからずご了承ください。

F1を見てこんなに興奮したのはいつぶりか。

昨日のF1オーストリアGPは、フェルスタッペンがオーバーテイクする度に手を叩き歓喜の声をあげてしまい、寝ていた家族はさぞかし迷惑だったでしょう。

中学2年生まで本気でF1ドライバーになりたくて、でもなり方がわからなくて、妄想のなか通学路の130Rを攻めていたあの頃。

昨日は、2週間おきにテレビの前で目を輝かせながらベルガーを応援していたあの頃の感覚が蘇りました。

フジテレビとF1

F1オタクだった私は、89年から97年まで一度も欠かすこと無くテレビで観戦していました。

F1といえばフジテレビ、フジといえばF1。セナにも認知されていたフジティービーです。

当時のフジテレビのF1演出は全てがカッコよかった。少年の私は心を鷲掴みにされました。

オープニングCGから流れる「TRUTH」のメロディに毎回鳥肌がたち、小林克也のタイトルコールからの、ドライバーの鋭い眼光のアップ。それはそれは完璧なパッケージングでした。

途中で流れるCMですら、いちいちカッコ良かった。。。

その後のK-1といい、フジテレビスポーツ局のプロデュース力はさすがだなぁと思いました。時代を読みムーブメントを起こせる力が当時のフジテレビにはありました。

そして、とんねるずとF1と共にフジテレビは確固たる地位を確立していくのでした。

深夜枠だったF1がムーブメントになったわけ

当時フジテレビの深夜番組は、中学生の私から見ても最高にイカしていました。

周りに先駆けフジの深夜番組を見ている俺 = エンタメの最先端をおさえている俺!でした。

  • カノッサの屈辱
  • アインシュタイン(城ヶ崎アナと松尾アナ)
  • 奇妙な出来事(後の「世にも奇妙な物語」)
  • カルトQ

これ以外にも、三谷幸喜が若かりし頃に手がけたドラマや、そこに出演している大高洋夫など、決してゴールデン向きではないけど、個性が際立った俳優たちに魅力を感じる自分がとても通だと感じました。

とにかく、あの頃のフジテレビの空気感が大好きでした。

フジテレビ深夜番組の時間帯には『JOCX-TV』という総称があるのですが、この時間帯に放送される番組の頭には必ず『JOCX-TV』のジングルが流れます。

F-1は深夜枠でしたので、放送が始まる前に必ずこれが流れました。そしてこの後こぞって他の局も真似しだします。

話はそれますが、各局キャッチフレーズをジングルのようして、ゴールデン番組の頭に流していた時期がありました。

これもフジからの流れなのですが、当時日本テレビは「それって日テレ!」というフレーズを押していたのですが、意味もひねりもなく、正直見ていて居たたまれなかったです。

同じことを日本テレビがやるとなんでこんなに冴えないんだろうか。。。麹町というより生田スタジオの香りがします。

おかげでフジテレビの偉大さを再認識するのでした。

トイレも済ませ期待を胸にTVの目に正座し、『JOCX-TV』のジングルを合図にVHSを録画します。

当時はLIVE配信ではなく現地の映像を超特急で編集し、なるべくラグのないように放映されていたのですが、それでもアメリカ大陸で行われるシリーズでは、深夜2時近くの放送になり、部活でクタクタの私には辛かったです。

しかし深夜枠にもかかわらず、ある意味マニアックなモータースポーツの世界が受け入れられたのは、偉大なフジテレビの深夜カルチャーにF1が組み込まれていたからだと思います。

F1を見ている事がカッコいいと思われる時代でした。

ベルガーファンもしびれたホンダの勝利

当時のF1ではベルガーが全てでした。

ベルガーの結果に一喜一憂していました。

ベルガーの移籍に合わせ、マールボロを吸ったり、ティフォシに戻ったり、マイルドセブンを吸ったりと大変でした。

時にはセナを凌ぐ速さを見せた高速コーナーの王者ですが、たまにしか勝たないのでファンはたまりません。

毎回馬場アナが実況すればいいのに!と思いました。(ベルガー勝利の時の実況は、ほぼ馬場さん)

そんなベルガーも97年に引退し、それ機にF1は見なくなりました。

結果は何となく追ってはいたものの、しだいにF1とフジテレビへの愛情は薄れていきました。

しかしあれから20年の月日が経ち、何故か今年はDAZNにも加入し、初戦から観戦しています。なんと今ではF1を見るのにも金が掛かるのです。

昔はベルガーファン視点でのみ観戦していましたが、いま俯瞰でF1を見ると、メーカー同士のプライドをかけた技術の争いはもちろん、エンタメとしても十分に楽しめる内容になっていました。

やはり驚いたのがフェルスタッペンの走りです。

オヤジのヨスは、ベネトンでシューマッハの影に隠れいまいちパッとせず、給油中の事故で炎上した印象しかありませんが、パドックではずいぶん偉そうですね。現役時代を知ってるこっちからしたら、もう少し謙虚にしたら?と言いたくなります。。。

しかし、マックス・フェルスタッペンは時折セナを彷彿とさせる走りをするなぁと時折感じていましたが、今回のオーストリアGPを見て確信に変わりました。

力強くて頼もしい、しかもとてつもなく速い。ここぞという時に見せる集中力と鬼神の走り。まさにセナとかぶります。

昨年までの同士討ちや、マッサへのブラジル人発言などで、正直この若造好きになれないなと思っていましたが、今年のマックスは何か佇まいが違います。

ほぼミスもしません。

セナが勇猛果敢で危険なドライバーから、成熟したドライバーへ成長していった過程と似ています。

すでにワールドチャンピオンの貫禄があります。

おそらくマシン的には、ガスリーのポジションが今のレッドブル・ホンダの実力を現しているのだと思います。

しかしセナが、トールマンやロータス時代に、マシンのポテンシャル以上の走りを見せマンセルやプロストと争っていたように、今のマックスもメルセデスやフェラーリとやり合っています。

しかし、このままホンダが満足いくPUをマックスに与えられなかったら、確実にメルセデスへ移籍するでしょう。

メルセデスはハミルトンに変わる次世代エースとして見据えています。

ルクレールも速くて良いドライバーですが格が違います。

そんな中、オーストリアGPでは鬼神の走りを見せ、ホンダファンが待ち望んでいた勝利をあげました。

そして、この勝利はベルガーファンの私にとっても、様々な特別が重なりました。

  • オーストラリアGPはベルガーの地元
  • 当時エステルライヒリンクはベルガーが大好きだった超高速サーキット
  • メルセデスの連勝をホンダが止めましたが、88年マクラーレン・ホンダの連勝を止めたのはベルガー
  • ベルガーのマクラーレン時代の担当エンジニアが、現レッドブル・ホンダTDの田辺さん
  • そして表彰台で抱き合うベルガーと田辺さん
  • F3でベルガーを見出したヘルムート・マルコ博士はいまだ健在

往年のベルガーファンにはたまらないGPとなりました。

マックス・フェルスタッペンが、ポディアムで胸のホンダロゴを指し示した時は、思わずジーンと来ました。

まだ、フェラーリやメルセデスとの差はありますが、

マクラーレン・ホンダ&セナのコンビのように、レッドブル・ホンダとフェルスタッペンでぜひ新時代を築いて欲しいです。