例えば、自社が主催のイベントで芸人をブッキングすることになれば、通常は所属先の事務所に依頼をかけます。
常識的に考えて、企業が直接タレントに発注することはありません。
対会社として取引した方が、双方にとってリスクが避けられます。
仮に、病気や何かのトラブルで芸人が出演できなくなった場合、事務所としては、代役を立てたり・ギャラの値引きしたりと、依頼主に対し会社としてのバックアップ体制がとれるのです。
当然マネージメント料が上乗せされますが、そのぶん安全は担保されます。
また企業も、タレントに直発注をしたことが所属先の事務所にバレれば、対会社としての信頼を損なうだけでなく、取引停止にもなりかねません。これだけSNSが盛んな現代で隠し通すことはもはや不可能です。
だから、ちょっと安いからと言ってリスクをかける必要は全くないのです。
それでも直営業が存在するのは、よっぽど親しい仲で事務所も公認しているような付き合いなどは別として、正規のルートで発注できない理由があるからに他なりません。
今回の一連の騒動と、直営業は別の話だから分けて考えるべき、という声があがっていますが、直営業こそが反社会的勢力との唯一の接点のような気がしてなりません。